Skypeケーススタディ:RareJob
By
Mayu Shimizu on 2009年8月19日 in ビジネス:Business.
今回はSkype for Businessで行っていたコンテストでみなさんからいただいた体験談のうち、見事アジアパシフィック地域で2位を受賞したレアジョブのケーススタディをご紹介します。
Skypeを使った英会話レッスン
株式会社レアジョブは、Skypeを使って日本と世界をつなぐユニークなビジネス・モデルを確立するため、2007年、東京に設立されました。同社がまず初めに取り組んだのが、フィリピン人講師による英会話レッスンです。
国内の英会話ビジネスは日本の主要産業の一つであり、矢野経済研究所の調べによると、2007年の市場規模は3,166億円にものぼります。しかし、これまで市場は、全国規模で英会話スクールを展開するいくつかの大手英会話学校によって寡占化され、その競争は熾烈を極めています。
レアジョブはこの厳しい競争にSkypeという武器を携えて参戦しました。株式会社レアジョブの中村岳最高技術責任者(CTO)は、加藤智久代表取締役(CEO)とレアジョブを共同で創業する前からSkypeを熟知していました。
「レアジョブを創業する以前、私はSkypeの心臓部とも呼ぶべきピア・ツー・ピア・テクノロジを使ったソフトウェア開発に従事していました。その頃、私は毎日Skypeを使っていたため、低コストで高品質なコミュニケーション・ツールとしてのSkypeの可能性を熟知していました。」

優秀な講師陣による格安オンライン英会話
Skypeを使うことによりレアジョブは、優秀なフィリピン人講師を多数採用しているにもかからわず、事業コストを抑えながら躍進を続けています。
「当社の講師は全員フィリピン大学の現役生または卒業生で構成されています。最高レベルの英語力を持ち、自然なアクセントで話せる講師だけを厳選しています。Skypeのアカウントを持っていなければ設定をサポートし、Skypeを教育メディアとして利用できるようにトレーニングしています」と、中村氏は述べています。
他の大手英会話学校のように、受講生に便利な駅前などのビルに高い賃料を払って自前のスクールを構える必要がなく、また、フィリピン人講師の報酬も日本の人件費に比べ低く抑えることができ、しかもわざわざ講師を日本に呼び寄せる必要もありません。
この低コスト体質はそのまま受講生の利益となり、ひいてはレアジョブの利益につながっています。
中村氏は、「マニラのオフィスとのコミュニケーションはもちろんのこと、社内連絡はすべてSkypeを利用しています。Skypeを利用することによって、1ヵ月5,000円という格安のオンライン英会話レッスンが可能になっています。毎日25分のレッスンですので、1レッスン当たり何と129円になります。教室で同じようにマンツーマンのレッスンを受けるとなれば、この40倍もの授業料を支払うというのが一般的です。」
自宅学習の有利性
自宅で気兼ねなく学習できるほど便利なことはありません。レアジョブの生徒は、あらかじめオンラインでレッスン時間を予約します。予約した時間になると、講師がSkypeを使って生徒に連絡してレッスンが始まります。こんなに簡単にレッスンを始められるのもレアジョブが大きく躍進している理由のひとつになっています。2008年後半から始まった今の不況の中、仕事を終えるとまっすぐに帰宅し、外食はぜずに自宅で夕食を取る日本人が増えています。レアジョブは生徒が簡単かつインタラクティブな方法で新しいスキルを身に付け、ひいては将来のキャリア開発にも寄与する手段を提供しているのです。
レアジョブは2009年5月現在、600名を超える講師陣を擁して1日平均800レッスン以上を提供し、オンライン英会話という形態で日本最大の独立系英会話学校です。登録生徒数も順調に推移し、2008年4月の1,000人から2009年5月には10,000人を超えました。どちらかと言えば、今の経済危機がこのビジネスの成長を後押ししていると言えます。
「オンライン英会話サービスを提供する他のスクールの場合、我々とは異なる技術を用いています。例えば、専用テレビ電話システムを必要とし、生徒に機材を貸し出したり、購入してもらったりしています。それでも、教室で提供する英会話学校に比べれば安く済みますが、レアジョブと比べればずっと割高となります。」と中村氏は付け加えています。
しかも、レアジョブの生徒は、優れた通話音質や迅速なファイル送信など、他のオンライン・テクノロジでは不可能なSkypeのさまざまな機能を活用することもできるのです。
将来はビデオ通話?
レアジョブは創業してまだ1年半の若い会社ですが、日本の英会話市場で早くも将来を嘱望された有望企業と目されています。今後もレアジョブのビジネス・モデルはSkypeと共に進化していくものと中村氏は見ています。
「当社の生徒の大半は現在、音声通話を利用してレッスンを受けています。これは、フィリピンのブロードバンド・インフラ事情が日本に比べ遅れており、ビデオ通話は多くの場合実用に至っていません。しかし、今後Skypeはさらなる音質と画質の向上とともに、必要帯域幅も減少すると思われ、そうなれば、ビデオ通話を利用した英会話レッスンが将来的に伸びていくことでしょう。ビデオ通話なら、絵などを使ったビジュアルな教材を使うこともできます。また、生徒はさまざまなフレーズに付き物のジェスチャーや話し方を直接目で見ることができるようになり、より自然な会話が可能となります。」
レアジョブのミッションはほんの一部が完成したところです。英会話レッスンはひとつの成功を見ていますが、中村氏と加藤氏は、社名の通り、「これまでにない珍しいビジネス」のための新しいアイデアを常に温めています。どんな成果が出るにせよ、そこにはレアジョブのコア・ユーティリティとしてSkypeが鎮座していることでしょう。




